足尾精錬所跡2008/06/30 23:10

6/28、わたらせ渓谷鐵道「サロン・ド・わたらせ」折り返し時間を利用して、足尾精錬所跡・本山周辺を散策いたしました。

足尾銅山の歴史は古く、1550年(天文19年)に発見・江戸時代から本格的に再尽くされたとのことです。
「寛永通宝」が製造(鋳造)されたこともあり、現在足尾駅前に記念のモニュメントがあります。

1881年に新たな鉱脈を発見・近代技術を導入し軍需もあり大きく発展いたしました。

しかし、精錬のための燃料確保のため周辺の山々の木を大量伐採、そして、亜硫酸ガスの大量排出で辺りの山は「禿げ山」状態となってしまいました。
また、「足尾鉱毒事件」に代表される鉱山周辺集落および下流における公害も大きな社会問題となりました。

その後、亜硫酸ガスから「硫酸」を製造(操業停止により現在は行われていない)してガスの排出を食い止めたり(完全ではない)、植林するなどして現在は緑が戻りつつあります。

銅山は1973年に閉山。その後は鉱石を海外から調達して精錬は行われていたものの、こちらも1989年に停止されました。
なお、精錬停止は足尾線(当時)が貨物輸送を廃止したことが大きく影響しているようです。

以後は廃棄物焼却事業を行っておりましたが、こちらも2002年で終了し、精錬施設は「廃墟」となっております。

なお、事務所に職員はまだ常駐しており、本山地区は僅かながらも職員住宅が現役です。

間藤駅からそのまま伸びる、足尾本山への貨物線跡。


本山地区に通じる道の途中にある踏切跡と近くにある鉄橋。



足尾本山駅手前のトンネル付近にあった、腕木信号機。


足尾本山駅手前にある鉄橋。
痛みが少ないようで今にも列車が来そうです。


足尾銅山・精錬所跡。
なお、硫酸製造施設(画像のさらに上)は現在解体中です。



亜硫酸ガスを排出していた煙突も近年中には解体されるでしょう。

本山地区からさらに奥へ進んだ親水公園付近から撮影。
「禿げ山」だった周辺の山は少しですが緑が戻っております。


本山周辺の鉱山住宅跡地・発電所導水鉄管・住宅地と精錬所を結ぶ「古河橋」など、往時を偲ぶ施設がまだ残っております。
下の画像は、古河橋です。


足尾銅山観光は通洞鉱跡が有名ですが、時間があれば本山地区にも行かれるとをお勧めします。
徒歩ではちょっときつそうですが、地区までのバスが通洞駅・足尾駅・間藤駅からあり、一部は東武・JR日光駅発となっております。
時刻表(日光市営バス 足尾地区)は、ここをクリック願います。
精錬所跡は「赤倉」バス停下車です。

なお、廃線跡・精錬所跡は立入禁止です。
精錬所跡は敷地外からでも撮影が禁止されている場所があります。
また、周辺は住宅がありますので撮影の際は十分な配慮が必要です。
(居住中の民家の撮影はご遠慮願います。)

※わたらせ渓谷鐵道の撮影画像は、ここをクリック願います。
また、わたらせ渓谷鐵道の撮影記は、7/1に掲載(6/28付ブログの記事を修正)予定です。